PR・広告

地球の不思議、その先へ。

奇妙な風景や未知の世界をめぐる合間に。
気になる情報を、3つ集めました。

気になる広告 01

気になる広告 02

気になる広告 03

死海はなぜ浮く?水位低下とシンクホールが変える塩の湖

死海の塩湖に浮かぶ旅 奇妙な島・海・湖

PR・広告

地球の珍品、値段まで規格外!?

124万円超の巨大地球儀に、148万円の隕石、
そして176万円のティラノサウルスの歯の化石。
地球と宇宙の不思議を感じる、 驚きの商品を集めました。

死海――「浮く湖」の岸で、なぜ地面まで崩れ始めたのか

水に入れば体が浮きやすく、湖岸には白い塩が結晶する。死海(Dead Sea)は、世界を代表する高塩分湖の一つだ。

しかし、現在の死海で本当に異様なのは、塩辛さだけではない。

湖面は下がり続け、かつて水だった場所が次々と陸地になる。その新しい岸辺では、地下の塩が溶け、突然地面が陥没する。イスラエル地質調査所(Geological Survey of Israel)によれば、沿岸域ではすでに6,000以上のシンクホールが確認されている。

つまり死海では、湖が縮むことによって、周囲の大地そのものまで作り替えられている。

なぜ、この湖だけがこれほど塩辛く、これほど低く、そして現在も姿を変え続けているのだろうか。

死海岸で塩の結晶に覆われた石
死海岸の石を覆う塩の結晶。水が蒸発し、塩類が濃縮される死海の特徴を示す。2012年撮影。
写真:Dead Sea salt incrusted stones/作者:SailE/ライセンス:CC BY-SA 4.0

海より400メートル以上低い湖

死海は中東のヨルダン地溝帯(Jordan Rift Valley)にあり、東岸はヨルダン(Jordan)、西岸側はイスラエル(Israel)とヨルダン川西岸地区(West Bank)に接している。

名前には「海」とついているが、地理的には外洋につながっていない湖である。

そして湖面の低さは、現在も変化している。

イスラエル水道庁(Israel Water Authority)の公式観測では、2026年8月31日の湖面標高は海面下441.33メートルだった。

死海について「海面下約430メートル」と説明する資料も多いが、水位は固定された数字ではない。近年の低下が続いているため、昔の数値は少しずつ現状からずれていく。

この低さは偶然にできたものではない。

死海は、アラビアプレート(Arabian Plate)とアフリカプレート(African Plate)の相対運動に関係する巨大な断層系、死海トランスフォーム(Dead Sea Transform)に沿って形成された構造盆地の中にある。

米国地質調査所(U.S. Geological Survey)の研究では、この断層系では累積約105~110キロメートルの左横ずれが生じ、死海周辺の堆積盆地は地下約7.5~8.5キロメートルにも達するとされる。

ただし、これは「死海の水深が8キロメートルある」という意味ではない。

長い地殻変動によって深い盆地が作られ、その内部を大量の堆積物が埋めてきたということである。

なぜ水がここまで塩辛くなるのか

死海の塩分が高くなる最大の理由は、この湖に出口がないことにある。

ヨルダン川(Jordan River)などから水が入っても、湖水が川となって外洋へ流れ出すことはない。水の主な出口は蒸発だ。

水が蒸発すると、水分だけが大気へ戻り、溶けていた塩類は湖に残る。これが長期間繰り返されることで、湖水は極端に濃縮されてきた。

ただし死海の水は、単なる「濃い海水」でもない。

研究では、マグネシウムやカルシウムなどを多く含む独特の塩水であることが知られている。測定方法によって表し方は異なるが、ある研究では塩分約347グラム毎リットル、別の研究では約280グラム毎キログラムと報告されている。

数字が違うように見えるのは、分母の単位が違うためである。

研究では密度が約1.236キログラム毎リットルとされた例もある。この高い密度が、人の体を強く押し上げる浮力を生む。

死海で仰向けになると浮きやすいのは、神秘的な現象ではなく、非常に濃い塩水が生み出す物理現象なのである。

「死海」なのに生命はいる

では、死海という名前の通り、生き物は存在しないのだろうか。

実際には、完全な「死の湖」ではない。

魚類など多くの水生生物には過酷すぎる環境だが、高塩分に適応した古細菌などの微生物は存在している。条件によっては、単細胞緑藻のドゥナリエラ(Dunaliella)が増殖することもある。

1980年と1992年には、上層の湖水が一時的に薄まったことに伴い、大規模な藻類と微生物の増殖が観察された。

つまり「死海には生命が存在しない」という説明は正確ではない。

むしろ死海は、多くの水生生物には生息が難しい環境で、どのような生命が極端な高塩分に適応できるのかを示す場所なのである。

かつて、死海はもっと大きかった

現在の死海だけを見ていると、この形が太古から続いてきたように思える。

だが、この地域の湖面は大きく変化してきた。

更新世後期には、現在よりはるかに大きなリサン湖(Lake Lisan)がこの盆地を満たしていた。研究では、おおむね約7万年前から約1万4千年前まで存在したとされ、死海からヨルダン渓谷へさらに広い範囲を覆っていた。

現在、死海周辺に残る堆積物や湖岸段丘の一部は、かつて水面が現在よりはるかに高かった時代の記録である。

つまり、死海の水位そのものが変わることは地質学的には珍しい現象ではない。

ただし、現在起きている急速な水位低下は、太古の自然変動だけでは説明できない。

今、死海に入ってくる水が足りない

死海は出口のない湖なので、水位を保つには流入水と蒸発量の釣り合いが重要になる。

ところが近代以降、ヨルダン川水系などの水は、飲料水や農業用水として大規模に利用されるようになった。さらに流域での貯水や、死海の塩水を使う鉱物産業も水収支に影響している。

2024年のイスラエル政府(Government of Israel)の省庁間報告書では、近年の水位低下は平均で年約1.1メートルとされている。

もちろん毎年まったく同じだけ下がるわけではない。しかし長期的な傾向としては、湖岸線が後退し続けている。

この変化を衛星画像で見ると、さらに奇妙なことに気づく。

死海の南側には、青緑色の水面がいくつも四角く区切られている。

これらの多くは、かつての自然な湖がそのまま残っているわけではない。1970年代後半、水位低下によって浅い南部水域は北側の自然湖から分離した。その後、南側では鉱物生産のために湖水をくみ上げて維持する巨大な蒸発池群が作られた。

現在の死海は、「北側の縮小する自然湖」と「南側の人工的に維持される水面」という、かなり特殊な姿になっているのである。

ネゲブ上空から遠望した死海南部の塩蒸発池
ネゲブ上空から見た景観。遠方に死海南部の鉱物生産に使われる塩蒸発池が見える。2013年撮影。
写真:Israel-2013-Aerial 10-Negev/作者:Andrew Shiva(Godot13)/帰属:Andrew Shiva / Wikipedia/ライセンス:CC BY-SA 4.0

湖が縮むと、なぜ地面に穴が開くのか

水位低下が引き起こしているもっとも危険な変化の一つが、シンクホールだ。

湖岸近くの地下には、過去の湖が残した厚い岩塩層が埋まっている場所がある。

湖面が高かったころ、その周囲の地下水は塩分の高い状態に保たれていた。ところが死海が後退すると、山地側から流れてくる比較的塩分の低い地下水が、かつて湖水の影響下にあった地下へ進入する。

そこで起こるのが、岩塩の溶解である。

地下の塩が水に溶ければ、その場所には空洞ができる。上に積もった土砂が空洞を支えきれなくなると、ある時突然、地表が落ち込む。

これが死海沿岸のシンクホール形成の重要な仕組みだ。

つまり、

湖が下がる
→ 地下水環境が変わる
→ 埋もれた塩が溶ける
→ 地下に空洞ができる
→ 地面が崩れる

という連鎖が起きている。

死海沿岸に形成されたシンクホール
死海沿岸に形成されたシンクホール。水位低下に伴う地下水環境の変化と地下の岩塩の溶解が形成に関係する。2007年撮影。
写真:Dead Sea sinkhole by David Shankbone/作者:David Shankbone/ライセンス:CC BY-SA 3.0

イスラエル地質調査所は、沿岸域に6,000以上のシンクホールがあるとしている。

死海の水位低下は、「水際が遠くなる」というだけの変化ではない。

湖が後退した場所では、一見安定して見える地面でも、地質条件によっては陥没の危険を抱えることになる。

塩だけではない、古代の「アスファルトの湖」

死海と人間の関係は、現代の観光よりはるかに古い。

死海周辺では天然ビチューメン、つまり天然アスファルトが得られ、先史時代から利用されていた。

2024年に発表された考古化学研究では、ネゲブ(Negev)北部の遺跡で見つかった紀元前8000~7700年ごろのビチューメン試料が、死海起源と判定された。

さらに別の研究では、紀元前3900~2200年ごろには死海由来のアスファルトがカナン(Canaan)地域からエジプト(Egypt)の交易拠点へ運ばれていた証拠が示されている。

現代人が死海と聞いて思い浮かべるのは塩や浮力だが、先史時代や古代の人びとにとっては、ここは貴重な天然資源を得られる場所でもあった。

死海という湖は、地質そのものが人間の歴史に組み込まれてきたのである。

「死海文書」は湖の中から出てきたわけではない

死海周辺の歴史で、もっとも有名な発見の一つが死海文書(Dead Sea Scrolls)である。

だが、その名前から「死海の水中から文書が見つかった」と想像すると、かなり違う。

最初の文書群が発見されたのは1947年。死海北西岸近くにあるクムラン(Qumran)の洞窟だった。その後、周辺の洞窟から多数の文書断片が発見されている。

さらに死海西岸を見下ろす岩山には、古代の要塞遺跡マサダ(Masada)がある。

死海は単なる自然景観ではなく、古代から人間の移動、資源利用、宗教史、政治史が重なってきた地域の中心でもある。

死海はこのまま消えてしまうのか

急速な水位低下を見れば、「いつか完全に干上がるのではないか」と考えたくなる。

しかし、研究上はそこまで単純ではない。

湖が小さくなると水面積も小さくなるため、湖全体から失われる蒸発量にも変化が起こる。将来の流入量や大気条件を仮定した2023年のモデル研究では、死海は大幅に縮小した後、より小さく、より高温で、さらに高塩分の湖として準定常状態に近づく可能性が示されている。

また2017年の研究では、現在と同様の気候条件で湖への流入がないと仮定した場合、蒸発による水位低下が海面下約516~537メートル付近まで続く可能性が計算されている。

ただし、これらは未来の確定値ではない。

今後の気候、流域の水利用、鉱物産業、湖への流入量によって結果は変わる。

確かなのは、死海がすでに過去と同じ湖ではないということだ。

「浮く湖」から、「動き続ける地形」へ

死海の奇妙さを「塩分が濃いので人が浮く」という一言だけで終わらせると、この湖の本当の異様さを見落としてしまう。

死海は巨大な断層盆地にたまり、出口を持たないため塩を濃縮してきた。

その湖へ流れ込む水が減ると、水位は下がる。岸が後退すると地下水の流れが変わり、地下の岩塩が溶け、地面に穴が開く。

一方で南側には、自然湖が失われたあとも鉱業によって維持される蒸発池が残る。

先史時代から天然アスファルトの供給地となり、周辺では死海文書やマサダに結びつく歴史が積み重なった。

そして現在、湖そのものの輪郭が人間の一生より短い時間尺度で変化している。

死海は、ただ古くから存在する不思議な塩湖ではない。

地殻変動、蒸発、塩、地下水、人間の水利用が重なり合い、今この瞬間にも姿を変えている地形なのである。

参考資料・出典

PR・広告

楽天で買える、地球の規格外コレクション!

198万円の巨大地球儀に、高さ180cmのモアイ像。
そして約298万円のモササウルス化石まで。
地球の不思議を、驚きの値札とともに眺めてみませんか。

地球儀が、まさかの198万円!?

自宅に180cmのモアイ像!?

海の古代生物が約298万円!?

奇妙な島・海・湖
地球異景録 編集部をフォローする
タイトルとURLをコピーしました